川久保 愛

 

~ L'ora di rialzarsi ~ 再び目覚める時

私の住むイタリアでは朝、寝起きの一杯にカフェを飲むのが習慣です。
エスプレッソであったり、カプチーノであったり人によって様々ですが、新しい1日を始めるためにカフェを飲みます。

震災以前は完璧な形の陶器であった破片を見つめながら、カケラの記憶に想いを馳せると、陶器であった筈のカケラの記憶を大事にしたいという気持ちが私の中に芽生え、イタリアでの普段の生活の中で一番身近な器の1つであるカフェ用カップをモチーフにペンダントヘッドを制作させて頂こうと考えました。

器を器として再生出来ない現実は否めません。
それでも、器であった記憶を織り込んだアクセサリーにしたい、と思ったのです。

ペンダントヘッドの裏面には「L'ora di rialzarsi」というイタリア語の彫り込みを。
意味は「再び目覚める時・再び起き(立ち)上がる時」。
モチーフが目覚めのカフェだから、ということもありますが、同時に益子の復興への想いを重ね合わせています。
少しずつだとしても「もう一度、立ち上がろう!」と思える方が一人でも増えるよう、言葉に願いをこめて。

(※)一番大きな作品の裏面だけは文字ではなく、透かし彫りでコーヒー豆をあしらっております。
プロジェクト参加のきっかけは2011年、初夏のジュエリー合同展「Buon Appetito!」でした。

Buon Appetito! vol.5 (BOSCO) の展示会以前から 繋がるカケラプロジェクトに参加されていたのがジュエリー作家・内藤圭美氏。

「Buon Appetito!」出展作家でもある内藤氏は「Buon Appetito!」が毎年「食」をテーマにしているジュエリー合同展であること、「食」には「器」が欠かせないということから、展示会出展作家の中にもプロジェクトに賛同する作家がいるのではないか?と、このプロジェクトの存在をアナウンス、繋がりを広げてくださいました。

丁度、ひとりの在外日本人として在住するイタリアでのチャリティーイベントへの出展・参加など、祖国の復興支援を模索していた最中だった私は、「リビルド益子」への参加を申し出、「繋がるカケラ」の制作へ入らさせて頂くことに…。

プロジェクトを通して、震災・復興について改めて深く考えさせられた思いです。

実際、カケラを手にした瞬間は、その美しさと儚さに心を揺さぶられ、ホロホロと涙しましたが、自分の身体と心で感じたものやカケラとの対話を忘れずに、溢れる思いを形にするよう心がけ制作させて頂きました。

末筆ではありますが、今回「繋がるカケラ」という、大変素晴らしく、貴重な機会を与えてくださった内藤圭美氏、リビルド益子の皆様に心からの感謝を申し上げると共に、震災の被害を受けてしまわれた全ての方へのお見舞いを申し上げます。

皆様が1日も早く心穏やかに過ごせるよう、イタリアでの支援活動を含め、私は今後も私に出来るお手伝いを模索し続けたいと思っております。

ゆっくりとでも、カケラのひとつひとつが沢山の方の手や心を通して生まれ変わり、晴れやかに、伸びやかに、誰かと誰かを繋ぎ、新しい何かを紡いでいきますように。

川久保 愛

http://aikawakubo.jp/index-jp.html 

 

生まれは日本、育ちはマレーシア、そして現在はイタリア在住の造形作家。

 

造形以外では彫金作家、フリーランスのイラストレーター、グラフィック、WEB、キャラクターデザイナーとして国内外で活動。イラストやグラフィックなどの2次元作品から、クラフトやオブジェ、アクセサリー、ハンドメイドジュエリーなどの3次元作品まで幅広く手懸ける。

 


2001年 東京工芸大学 芸術学部卒業

大学卒業後フリーランスのイラストレーター、グラフィックデザイナーとしてデザインオフィスやWEB制作会社などで様々な経験を積む。(仕事は現在も継続中)


2005年 単身イタリアに留学

二次元だけでなく三次元での表現の実現を可能にするため渡伊。フィレンツェ歴史地区にあるジュエリークラフトの専門学校にてイタリアの彫金技術及び伝統工芸技術であるフィレンツェ彫(西洋彫り)を学ぶ。


2006年 フィレンツェ西洋彫りの第一人者として著名な Marco Biliotti 氏に師事

また、彫金職人である Giovanni Befana 氏と Guido Tai 氏の工房に時折通いながら、両氏から伝統的なフィレンツェの彫金技術の指導を受ける。(Biliotti氏への師事は現在も継続中)


2009年 イラスト・グラフィック合同展「Tokyo Fantastic 4」出展

国際色豊かな作家と表参道のギャラリーでイラスト・グラフィックの合同展を企画・開催。


2010年 絵付け師・画家として世界的に著名な Ubaldo Pasqualetti 氏に師事

制作の傍ら、今後の作品作りに活かせるようリチャード・ジノリの絵付け職人として長年に渡り活躍してきた Pasqualetti 氏に師事。扱える技術・マテリアルの幅を更に拡大。


2011年 ジュエリー合同展「Buon Appetito!」日本/イタリア 出展

5年目を迎えるジュエリー合同展Buon Appetito!(6月東京・10月イタリア)へ初出展。
また、Buon appetito 公式サイトの全面リニューアルを担当。
デザイン、構築後もサイト運営を担当中。


同年 コラボレーションワーク【A+M = AntimaridiaM】の活動開始

バックブランド「Soffio di Sofia」の長尾 美樹氏と共にコラボレーションワークあるブランド【A+M = AntimaridiaM】を立ち上げ、アートアクセサリーを中心に制作・提供中

 

リビルド益子

【カケラについて】

私たちが活動で使用しているカケラは全て、御提供頂いた作家・窯元のものを用いております。

 

また、カケラのみの提供は行っておりません。

 

 

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